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さつまいも
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英名 | Sweet potato |
科名 | ヒルガオ科 |
別名 | 甘藷(かんしょ)、唐芋(からいも、とういも)、琉球薯(りゅうきゅういも)、とん、はぬす |
原産地 | 中央アメリカ |
ヨーロッパ人のアジア進出に伴い東南アジアに渡り、中国福建省に1600年ごろ伝わりました。
日本へは中国から、沖縄を経て鹿児島県に伝わり、その地名から「サツマイモ」のなで広まりました。
甘藷、唐いも、琉球いもなどの別名や呼称がありますが、薩摩いもの名が最もポピュラーです。
完熟イモが収穫される10月から11月が旬ですが、市場には1年中出回っています。
サツマイモは甘くておいしいだけでなく、美容や健康、若さの維持に役立つ優れた野菜です。
さつまいもは甘みを生かした使い方が多く、和風ではきんとん、含め煮、いもがゆやいもご飯、揚げ物、汁の実などがあります。
おやつなどには、焼きいもや蒸しいもの他、蒸して裏ごししたものを茶巾絞りにしたり、揚げて蜜を絡ませた大学いも、裏ごしして寒天で固めた羊羹などがあります。
さつまいもはアクが強いので水洗いして適宜切った後、水にさらしてアク抜きします。
さつまいもを蒸すかゆでて薄く切ったものを乾燥させたものです。
乾燥の度合により硬さは色々です。
そのまま、あるいはサッと火であぶって食べます。
ゆでて水によくさらしてアクを抜いてから、皮をむき、煮びたしや炒め物にすると独特のうまみがあります。
さつまいもの皮には、ポリフェノールが豊富に含まれています。
また、ヤラピンは皮に近い部分に含まれています。
これらの栄養素成分を生かすためには、皮をむかずに一緒に料理します。
皮にはデンプンの分解酵素が含まれているので、ガスの発生も防げます。
さつまいもを煮たりゆでるとゆで汁に栄養素が流れ出てしまうものが多くあります。
焼きいもや蒸しいも(ふかしいも)が栄養的には優れた調理法です。
豚汁やみそ汁など汁ごと食べる場合は、汁に栄養成分が残っているので問題ありません。
さつまいもは60℃前後の温度で調理すると、より甘さが増すので電子レンジではなく、オーブや蒸し器でじっくり調理するのが美味しくするポイントです。
品種により大きさ、形は様々ですが、同品種の中では、一般的に細いものより太いもののほうが味がよく、色が濃くてツヤのあるものを選びます。
細くてひげ根の穴が多いものの多くは筋っぽい。
洗わないで、一つずつ新聞紙で包み、ダンボール箱に入れて、13~15℃の風通しのよい場所で保存すると良いでしょう。
さつまいもは収穫後、2ヵ月ほど保存して水分を減らすとより美味しくなります。
市場に出回っている主なものは、焼きいも用の需要が多い農林1号、早掘り用で甘みが強くホクホクとした高系14号です。
紅香川、紅土佐、紅千葉などは高系14号をそれぞれの土地で育てた栽培品種です。
また、皮が赤く、細い紅赤は肉が濃い黄色、粘質で甘い。
きんとんやあんの材料となる金時は紅赤の代表品種です。
このほかにベニコマチ、ベニアズマ、そして表皮が茶黄色の変わり種、コガネセンガン、肉質が紫の紫いもなどがあります。
イモの形はやや不ぞろいになりやすいが、甘くて栽培しやすい。
甘みが強く、貯蔵しやすい。
形ぞろいがよく、とても甘い。
形ぞろいがよく、電子レンジでの調理にも適している。
紫色のイモで食味がよい。
サツマイモの主な成分は炭水化物とデンプンです。
さつまいもに含まれる栄養素の中で、まず注目したいのがビタミンCです。
ほかの野菜でビタミンCを多く含んでいるパセリ、ほうれん草、レモンと比較してみると、食品成分表に記載された100g当たりのビタミンCの量は、さつまいもは29mgで、パセリ120mg、ほうれん草60mg、レモン100mgにはおよびません。
しかし、ごく平均的な食事で一度に食べる分量を考えると、パセリは料理の付け合わせとしていただく程度なのでビタミンCは12mg位です。
レモンはスライス1枚程度であればビタミンCは10mg程度です。
ほうれん草は比較的量を食べられるおひたしでも1人当たり1/3束(約80g)でビタミンCは48mg位です。
ところがさつまいもを1人で100g以上食べることは難しくありません。
Mサイズのさつまいも1本で200g位あります。
したがって、一度に食べる量では、さつまいもからとれるビタミンCがトップと言うことになります。
さらにさつまいものビタミンCは熱を加えてもあまり減りません。
イモのデンプンがノリのようになり、ビタミンCの流出を防ぐからです。
100gのさつまいもを蒸した時のビタミンCは20mgです。
一方、ほうれん草は1分間ゆでると50%のビタミンCが流出してしまいます。
以上のことから、さつまいもは効率の良いビタミンC源と言えるでしょう。
また、老化を抑えるビタミンEや、紫、赤などのイモにはカロテンも多く含まれています。
さつまいもでもう一つ注目したいものが、整腸作用のある食物繊維です。
食物繊維は消化管の働きを活発にし、便秘を改善したり、大腸がんを予防する働きがあります。
食物繊維は野菜や穀類、豆類、キノコ、果物、海藻などに多く含まれています。
そのため、特に意識しなくても伝統的な日本食から十分に摂取できていました。
しかし、食生活の変化で日本人にも不足がちになっている人がでてきました。
厚生労働省では食物繊維の1日の摂取量を成人で20~25gとしています。
さつまいもの食物繊維は蒸したもので100g当たり3.8g(総量)です。
飛びぬけて多く含まれているというわけではないですが、やはりまとまった量を食べられる点が、さつまいものメリットです。
石焼き芋が甘くなるのは、さつまいもに含まれるβ-アミラーゼという酵素の働きによります。
β-アミラーゼは65℃から85℃という限られた温度内でしか働きません。
電子レンジによる急激な加熱では、β-アミラーゼの働く時間が極めて短い。
一方、石焼き芋はじわじわと時間をかけて加熱するため、β-アミラーゼが十分に働き、甘みが蓄積生成されて美味しくなります。