エゾウコギ

英名Siberian ginseng、Touch-me-not、Devils shrub、Eleutherococc、Wild Paper
科名ウコギ科
別名シベリア人参、エレウテロコックス、刺五加(しごか)
原産地シベリア、中国北部、日本(北海道)
使用部根、根茎、茎(枝、葉にも有効成分は含まれます)

エゾウコギは、高麗人参と同じウコギ科の植物です。
日本ではエゾ(北海道)東部にだけ自生している落葉の低木です。

昔、アイヌの人々が強精、強壮、神経痛、関節炎、淋病などの民間薬として利用されていました。

旧ソ連では、宇宙飛行士やオリンピック選手が強壮、抗ストレス、疲労回復のために使用していることが話題になりました。

中国では刺五加と呼ばれており、約2千年前から薬用として用いられてきました。

期待されるエゾウコギの効果効能

  • 免疫賦活作用
  • 抗ストレス作用
  • 抗疲労作用

エゾウコギ(有効成分:エレウテロサイドE)には、鎮痛作用などの働きで知られるβ-エンドルフィンレベルを高める働きがあると報告されています。

人の免疫機能に関わるB細胞、T細胞にはβ-エンドルフィンのレセプターが存在することが見いだされており、エゾウコギ摂取はこれらを活性化し、NK細胞を活性化して免疫力を高め、抗ストレス作用をもたらすと考えられています。


エゾウコギの有効成分・栄養素

  • イソフラキシジン、エレウテロサイドB、エレウテロサイドB1、エレウテロサイドE、クロロゲン酸など。
    (産地により成分含有量が異なるという報告があります。)


免疫賦活作用に対する試験

1.試験デザイン:プラセボを対象とした無作為化二重盲検試験

  • 対象:健常者ボランティア
  • 人数:36人(エゾウコギ投与18人、プラセボ投与18人)
  • 投与量:エゾウコギ調合物約10ml(エゾウコギエキス含有量1.96g)×3回(毎食後)/日を4週間
  • 結果:血中T細胞はプラセボ群に比べて有意に活性化されました。


疲労に対する試験

1.試験デザイン:プラセボを対象とした無作為化一重盲検クロスオーバー試験

  • 対象:スポーツクラブに所属する健康な男子運動選手。年齢21~22歳(平均年齢21.5歳)、体重59.4~72.6kg(平均体重66.5kg)
  • 人数:6人
  • 投与量:プラセボを2回/日を2mlずつ8日間投与したあと、エゾウコギエキスを同様に8日間投与
  • 結果:投与開始前、プラセボ期間終了時、エゾウコギエキス投与終了時にエルゴメータのペタリングによる運動負荷をかけ、疲労困憊になるまでの時間などを測定した結果、時給時間は投与前に比べ16.3%増、最大酸素摂取量は11.9%増、最大酸素脈は7.9%増となるなど、投与前・プラセボ摂取後に比べて有意に増大しました。


不定愁訴に対する試験

1.試験デザイン:オープン・ラベル試験

  • 対象:不定愁訴を訴える患者(平均年齢53.9歳)
  • 人数:123人(男性49人、女性74人)
  • 投与量:エゾウコギエキス140mg/日(エゾウコギとして2,000mg/日相当)を含有する合剤3錠×3回/日。摂取期間原則4週間。なお試験に影響を与える可能性のあるビタミン、強壮剤、精神安定剤、自律神経調整剤などの併用は極力避けさせ、従来から使用してきた背景疾患に対する薬は継続。
  • 結果:自覚症状のうち、抑うつ気分が中程度以上改善したと回答した人は70.7%、疲労・倦怠感など中程度改善したと回答した人は69.3%でした。


エゾウコギの摂取量

用量は根の乾燥エキスで1日に2,000~3,000mg、エレウテロサイドB及びEで標準化された濃縮個体エキスで300~400mg、アルコール抽出物で8~10ml、これらを2、3回に分けて摂取します。


エゾウコギに関する注意点・安全性

妊婦、授乳期の摂取に対する報告はありません。


エゾウコギと薬との相互作用

基礎実験によって肝薬物代謝酵素CYPへの影響が示唆されているが、健常者を対象とした臨床試験ではCYP2D6、3A4に影響を及ぼす可能性は低いとの報告があります。


その他エゾウコギの特記事項

中国では根を刺五加という名称で強壮、補精、鎮静薬などの目的で用いられており、薬典に記載されています。

旧ソ連においては強壮生薬として、1962年、ソビエト保健省により正式に医薬品として認められています。


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