ビタミンC
ビタミンCは、壊血病を予防することから発見された水溶性のビタミンで、アスコルビン酸ともいいます。
熱に弱く、酸化されやすい性質があり、人の体内では合成することができません。
ビタミンCの欠乏症が注目されるよになったのは、16世紀の大航海時代です。
長い航海中に船員が体から出血して死亡する例が相次ぎ、壊血病の存在が知られるようになりました。
当時の航海中の食事はパンと干した肉だけで、半年以上も野菜や果物を食べなかったためです。
ビタミンC自体の存在自体は1920年代に発見され、その後ブドウ糖から大量に合成する技術も開発されました。
ビタミンCの重要な働きの一つは、コラーゲンの生成です。
コラーゲンは皮膚や筋肉、骨、血管を結合している組織で、ビタミンCが欠乏するとコラーゲンの生成量が減り、骨が弱くなり、出血しやすくなります。
風邪の大半はウイルスが原因ですが、ビタミンCには風邪のウイルスの活動を抑え風邪を予防したり、回復を早める効果があります。
ビタミンCは体内に入った細菌やウイルスの力を弱めたり、細胞への侵入を防いで免疫機能を助ける働きがあります。
ビタミンCが不足すると、風邪以外の病気にもかかりやすくなり、回復力も低下します。
また、肉体的・精神的ストレスが加わるとビタミンCが大量に消費されるので、ビタミンCの補給はストレスへの抵抗力を高めることにもなります。
近年、特に注目されているのは抗ガン作用です。
人の体内では、食べた野菜や肉などに含まれる成分が結合して、ニトロソアミンという発ガン性物質がつくられます。
ビタミンCはこのニトロソアミンの合成を抑えるとともに、ニトロソアミンが細胞に侵入するのを防ぐ働きもしています。
ビタミンCが有害なウイルスや物質の細胞への侵入を防ぐ仕組みははっきりとはわかっていません。
しかし、ビタミンCによって生成されるコラーゲンが大きな役割を果たしていることは間違いありません。
ビタミンCには、体内でインターフェロンをつくる働きもあります。
インタフェロンはウイルスの増殖を阻止する物質で、腫瘍などができると合成されるため、抗ガン剤として注目されています。
ビタミンCはインタフェロン合成を促進させる作用があり、この点でもガンの予防や進行阻止に役立つと考えられています。
この他、ビタミンCには血液中のコレステロール値を下げたり、色素の沈着を防いでシミ・ソバカスを予防する働きがあります。
コラーゲンもきめ細かい肌づくりに欠かせない物質ですから、ビタミンCは美容上も欠かせないビタミンです。
ビタミンCはとりすぎても余分なものは体外に排出されるので、過剰摂取による副作用の心配はありません。
必要量は1日100mgですが、1日10g以上の大量投与で、風邪やガンの予防ができるという説もあります。
ビタミンCの効果効能・働き
- 細胞の結合組織であるコラーゲンの合成に働き、血管や皮膚、粘膜、骨を強化します。
- 歯ぐきからの出血を防ぎます。
- 血液中のコレステロール値を下げるのを助けます。
- 風邪を予防し、回復を早めます。
- 緩やかな緩下(下剤)作用があります。
- 壊血病の予防・治療、発ガン物質の発生を抑える働きがあります。
- 肌にハリを持たせ、骨や粘膜を強くします。
- 貧血を予防し、ストレス、疲労を和らげます。
- アレルギー反応を抑えます。
- 抗酸化作用、抗ガン作用、抗ウイルス作用、解毒作用があります。
- しみのもとであるメラニン色素の生成を抑えます。
- 鉄や銅の吸収を助けます。ヘモグロビンの合成を助けます。
ビタミンCの1日の必要量
- 男性:100mg
- 女性:100mg
ビタミンCの含有量が多い食品
品名 1食分 | 含有量 |
パパイヤ 1/2個 200g | 130mg |
ネーブルオレンジ 1個 200g | 120mg |
ブロッコリー 200g | 112mg |
甘柿 150g | 105mg |
いちご 120g | 96mg |
ビタミンCの効率的な取り方
調理の際、加熱を短時間で行うのがビタミンCを壊さないためのコツです。
野菜はゆでたり、煮たりするより、油炒めの方が損失率が少なくてすみます。ゆで汁や煮汁、炒め汁にはビタミンCが溶け出ているので、スープなどに利用すると良いでしょう。
アク抜きも冷水で素早く行うようにします。加熱するたびにビタミンCが失われますから、温め直すのもできるだけ避けたいものです。
ビタミンCは、2~3時間で排泄されるので、3食できちんととるようにすることが大切です。
こんな方にビタミンCは必要
風邪をひきやすい人、疲れやすい人、運動量の多い人など。特に激しい運動をすると、大量にビタミンCが消費されますので、補給が必要となります。
精神的・肉体的なストレスが多い生活をしている人や、タバコを吸う人も十分な補給が必要です。
ストレスが加わると、副腎皮質ホルモンが分泌されますが、この時大量のビタミンCが消費されます。
タバコも体内のビタミンCをかなり破壊することがわかっています。
妊娠中の女性や授乳期の女性もビタミンCが欠乏しないように注意しましょう。
ビタミンCを過剰に取ると
- 過剰症は認められていません。
1日に10g以上とると下痢、頻尿(ひんにょう)、発疹が出ることがありますが、これは一過性のもので過剰症ではありません。
ビタミンCが不足すると
- 風邪をひきやすくなり、免疫力、解毒力が弱まります。
- 皮膚や粘膜、歯ぐき、関節などが出血しやすくなります。
- 骨が弱くなり骨折しやすくなります。
- 筋肉が衰弱し、心臓が肥大します。
- 疲労感、脱力感があらわれ、神経の失調をおこします。
- 肌にハリがなくなり、シミやソバカスができやすくなります。
- 副腎が弱り、アレルギーが出やすくなります。
- 胃ガン、肝臓ガンなど発ガンリスクが高まります。
- 壊血病になります。
その他の病気にもかかりやすくなったり、切り傷が治りにくい、成長が遅れるなどの弊害が発生します。
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